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加熱式たばこの恐怖!!
ここ5年で急速に普及した加熱式タバコは、タバコ葉に直接火をつけ燃焼により発生した煙を吸い込む紙巻きタバコと違い、タバコ葉に熱を加えてそこから発生するエアロゾルを吸い込みます。そのため一酸化炭素などの有害物質の量が減り、健康への害が少ないと言われています。
しかし紙巻きタバコと同様に加熱式タバコにもニコチンが含まれています。ニコチンは体に吸収しやすいという特徴があり煙やエアロゾルに含まれる形で肺に入り、肺の血管などから急速に全身に広がります。肺に入る前には当然口にも触れており口の粘膜からも吸収されます。ニコチンは口の細胞に多種多様な害をもたらします。
歯ぐきへの影響
1,炎症を起こしやすくする:歯周病菌と免疫細胞が戦う際に細胞から生み出される炎症性物質は、歯ぐきの細胞や顎の骨の破壊を起こします。ニコチンはこの炎症性物質の生産を促します。
2,歯ぐきの弾力を失わせる:ニコチンは歯ぐき内部の細胞の角化を進め、弾力を失わせます。血流が悪くなり、栄養の供給や老廃物の除去機能が低下します。
3細胞を弱くする:ニコチンにより活性酸素や一酸化窒素がつくられ、歯ぐきの細胞が酸化、老化します。
歯根膜への影響
歯の根と顎の骨を結びつけている歯根膜の細胞を剥がれやすくします。
あごの骨への影響
古い骨を壊す破骨細胞と、新しい骨を作る骨芽細胞。ニコチンはこの破壊と再生のバランスを破壊の方に傾けてしまいます。
粘膜全体への影響
血管を収縮させることで血流量が減少します。酸素や栄養が十分に行き渡らなくなると、細胞の修復機能が低下します。また、ニコチンは細胞の遺伝子を傷つけ、癌化をまねきます。
細菌叢
ニコチンを含むタバコ成分により、歯周病菌をはじめ病原性の高い菌が優勢になります。
ニコチンは歯周病菌の栄養となり、病原性を増します。
以上、ニコチンは口の細胞と細菌へ大きな影響を及ぼします。加熱式タバコを吸われていても、ニコチンは同じく含まれていますので、口への害は変わらず起こると推測されます。紙巻きタバコより量が少ないものもあるとはいえ、加熱式タバコに有害なものが含まれていることは変わりなく、そうした化学物質による体への影響は量が少ない分減るというものではありません。