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院長ブログ
音がすごい、子供の歯ぎしり
たいていの子供は睡眠中に歯ぎしりをしています。ただ生理的なものなので、問題はありません。
子供の歯ぎしりは「睡眠随伴行動」と呼ばれる、おねしょとか、寝言、寝ぼけなどの仲間です。起きたときは記憶に残っていませんし、成長とともに自然に消えていく行動です。歯ぎしりが強すぎて詰め物がとれてしまうお子さんもおられますが、詰め物をやりかえたりしながら様子を診ているうちに、硬い永久歯に生え替わっていきます。
乳歯は永久歯に比べて柔らかいのでとても削れやすいです。でも乳歯は歯ぎしりでかなり削れていても不思議なくらいしみません。しみる場合は6歳臼歯(6歳ぐらいに生えてくる永久歯の奥歯)がエナメル質形成不全等で一緒に削れてしまっていることが多いです。
しみてつらい場合は削れてしまった部位をコンポジットレジン(白い詰め物)で覆ったり、エナメル質が削れてなくなった歯は虫歯になりやすいので、定期的にフッ素塗布を受け永久歯への生え替わりを経過観察することが大事です。
どのお子さんも歯ぎしりはしますが、歯ぎしりを増幅するリスクファクター(悪影響を与える因子)があります。それは「悪い睡眠習慣」です。浅い眠りのレム睡眠の時に歯ぎしりが起きます。例えば騒音がする部屋で寝る、明るい部屋で寝ると眠りが浅くなりレム睡眠が増えます。また睡眠不足だったり、睡眠時間が不規則になると深い眠りであるノンレム睡眠のリズムが乱れます。その結果、半覚醒状態のレム睡眠が増え、歯ぎしりも増えてしまいます。
子供の頃からの悪い生活習慣は、大人になっても不規則な生活になりやすいです。永久歯列になった大人の歯ぎしりは、歯を失う原因にもつながります。小さな頃から身につけた良い生活習慣は、永久歯を守るうえで大事なことです。