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子どもの矯正で行うMFTとは?適応症や効果も解説

子どもの歯並びやかみ合わせの問題、口腔習癖などを改善する方法として「MFT」が注目を集めています。日本語では「口腔筋機能療法(こうくうきんきのうりょうほう)」と呼ばれるもので、皆さんが想像する小児矯正とはさまざまな点で異なります。ここでは子どものMFTの特徴や適応症、期待できる効果について解説します。

MFT(口腔筋機能療法)とは?

MFT(Oral Myofunctional Therapy)とは、お口周りの筋肉を正しく機能させることで、歯並びやかみ合わせ、骨格の問題を改善する方法です。多くのケースではプレオルソに代表される機能的顎矯正装置(きのうてきがくきょうせいそうち)の使用と併せて行われ、舌を正しい位置に誘導する、歯並びを悪くするお口の癖を改善することが可能です。つまり、MFTとは小児矯正の補助として行われるトレーニングなのです。ちなみに、お口周りの筋肉の使い方が悪かったり、口腔習癖を放置したりすると、以下に挙げるようなトラブルを誘発しかねないため、十分な注意が必要です。

  • 歯並びが乱れやすくなる(不正咬合のリスクが高まる)
  • よく噛めなかったり、飲み込みにくくなったりするなど、咀嚼や嚥下の機能が低下する
  • 発音がはっきりしない、言葉が聞き取りづらくなる
  • 口での呼吸が習慣化しやすく、それにより免疫力の低下や口の乾燥、歯周病などの健康リスクが高まる
  • 顔全体のバランスが崩れ、表情や輪郭に影響が出ることがある

MFTはどんなことするの?

ひと言でMFTといってもトレーニング方法は多岐にわたります。ここでは代表的な4つのトレーニングを紹介します。

①スポットトレーニング

舌は、上の前歯の裏側にある膨らんだ部分(スポット)に触れている状態が正常です。この位置を正確に覚えて、舌の先をつけられるように訓練するのがスポットトレーニングです。スポットポジションはMFTの基本となるものなので、まずはこれをしっかり行うことから始めましょう。

②ポッピングトレーニング

舌の先をスポットにつけた状態で口を開けて、「ポンッ」と音を鳴らすトレーニングです。舌を引き上げる筋力が鍛えられます。

③ボタントレーニング

ボタンに紐を通して、前歯と唇の間に挟み、外側に引っ張るトレーニングです。唇の筋力が鍛えられます。

④サッキングトレーニング

舌全体をお口の天井部分に吸い上げて、奥歯をかみ合わせながら舌の横で上顎を軽く押し上げるトレーニングです。正しい飲み込み方を身につけることができます。

MFTが必要かもしれないクセ

MFTは、次に挙げるような癖があるお子様に必要となります。

  • 指をしゃぶる習慣が長く続いている
  • 舌を前に突き出すような動きがよく見られる(舌突出癖)
  • 唇を無意識に噛んだり吸ったりする癖がある(吸唇癖)
  • 爪を噛む習慣がある(咬爪癖)
  • 口がいつも半開きの状態になっている(お口ポカン・口唇閉鎖不全)
  • 鼻ではなく、口で呼吸することが多い(口呼吸)
  • 舌が常に正しい位置に置かれていない
  • 飲み込むときに舌や顔に不自然な力が入り、スムーズに飲み込めない
  • 特定の音がはっきり発音できず、言葉が聞き取りにくいことがある
  • 食事中に音を立てたり、食べ物をよくこぼしてしまったりする
  • 睡眠中に口が開いたままになっていたり、いびきをかいたりすることがある

これらはお口周りの筋肉を正しく使えないだけでなく、歯並びやかみ合わせを悪くしたり、顎の骨の発育を遅らせたりすることから、MFTによる改善が必要かもしれません。どれかひとつでも当てはまるものがある場合は、MFTに対応している小児歯科や矯正歯科に相談しましょう。

MFTでどんな効果が期待できるの?

MFTでは、以下に挙げるような効果が期待できます。

お口の機能を整えることができる

MFTによってお口周りの筋肉を上手に使えるようになると、噛む、飲み込む、しゃべる、呼吸する機能が改善されます。その過程で口呼吸や指しゃぶり、舌を前に突き出す癖なども取り除かれていくことでしょう。

歯並びやかみ合わせがきれいになりやすい

口腔周囲筋の機能が正常化すると、顎の骨の発育も健やかに進んでいきます。その結果、歯並びやかみ合わせにも良い影響がもたらされます。具体的には、スペース不足によって生じる出っ歯や乱ぐい歯、骨格的なアンバランスによって誘発される反対咬合などを改善、予防できることがあります。

発音がはっきりして、話し方がスムーズになる

お口周りの筋肉が鍛えられ、歯並びが良くなると、発音や滑舌も改善されます。周りの子どもよりも遅れがちだった言語機能にも良い影響がもたらされます。

集中しやすくなり、落ち着いて物事に取り組めるようになる

口呼吸から鼻呼吸へと移行すると、たくさんの酸素を取り入れやすくなるため、物事への集中力が向上し、運動や勉強への意欲も高まります。同時に鼻呼吸には、免疫力の向上、ドライマウスの改善、虫歯や歯周病リスクの低減といった効果も期待できます。

体全体の健康にもよい影響をもたらす

悪習癖がなくなり、口腔周囲筋が正常に機能し、骨格の発育が健やかに進むと、顔立ちにも良い影響がもたらされます。しっかり噛めるようになることは、顎や首、肩への負担を軽減し、原因がよくわからなかった頭痛や肩こり、腰痛の改善へとつながる場合もあります。さらには、咀嚼能率の向上によって胃腸への負担が減り、全身の健康維持・増進にも貢献します。

まとめ

今回は、子どもの矯正で補助的に行うMFTの特徴や適応症、期待できる効果について解説しました。お口周りの筋肉をトレーニングするMFTには、皆さんが想像する以上にたくさんの効果が期待できます。お子様の歯並びやかみ合わせ、日常的に行っている行動に不安な点があれば、まずは小児歯科や矯正歯科に相談しましょう。それはもしかしたらMFTが必要な習癖・症状かもしれません。MFT自体はとてもシンプルなトレーニング方法で、一度覚えてしまえばいつでも簡単に行えます。

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